関東高分子若手研究会 2003年度 春の講演会

 6月14日(土)午後1時より東京工業大学 大岡山キャンパス 本館第2会議室にて、関東高分子若手研究会 2003春の講演会を開催いたしました。今回は主題を「環境ビジネスと高分子」と設定し、東京工業大学の土肥義治先生、大妻女子大学の中村邦雄先生、そして⑭東芝の伊部英紀先生の3名の先生を講師としてお招きしたところ、大学の若手研究者、学生、企業の若手研究者など合計38名の参加がありました。
 まず東工大の土肥先生に「バイオベース新産業と生分解性高分子」と題しまして、現在の高分子産業と環境との問題点からご自身の生分解性高分子の研究まで幅広く、かつ非常にわかりやすく説明していただきました。特に1920年代のポリエステルの発見についての経緯については非常に興味深く感じられました。次に、大妻女大の中村先生に「未利用天然資源組込型生分解性ポリウレタン」の講演をしていただきました。ポリウレタン樹脂を合成する際に、未利用な天然資源、例えばオカラやコーヒー粕などを多官能性アルコールとみなし共に反応させることにより、生分解能を持ったポリウレタン樹脂を合成し、またその生分解能についての結果も示していただきました。女子大学での研究の苦労話など非常にユーモアのある講演をしていただきました。最後に東芝の伊部先生に「一般系廃プラスチックの油化システム事例報告」ということで、現在東芝が行っているプラスチックの油化リサイクルについて実際のプラントの写真を中心に説明をしていただきました。講演会終了後は中村先生と伊部先生の2人も参加されて懇親会を行いました。講演自体が非常に和やかな雰囲気だったため懇親会も自然と溶け込み、講師の先生と熱く議論したり、参加者同士で交流を深めたりすることができました。
 以上のように今回の講演会は非常に充実したものになりました。今回の講演会を開催するに際しまして、お忙しいところをお越しくださいました講師の先生方に感謝いたします。また、運営に関しまして若手研究会のメンバーの方々、そして熱心に参加していただきました学生の皆さんや会社からご参加くださいました若手研究者の方々、さらに高分子学会の皆様のご協力に厚く御礼申し上げます。

主題=環境ビジネスと高分子

<趣旨>近年の高分子材料の開発では、高性能・高機能の追求だけではなく、いかに環境への負荷を軽減するかが重要となってきています。高分子の設計・合成や再生・リサイクルなどアプローチは様々ですが、この「環境と高分子との調和」はこれからの高分子材料のビジネスにおいて重要なキーワードとなるでしょう。今回はそれぞれの分野で最先端の研究をされている3人の先生方に講演をお願いいたしました。
主 催 高分子学会 関東高分子若手研究会
日 時 6月14日(土) 13:00~17:00
会 場 東京工業大学 大岡山キャンパス
本館第二会議室 (3F45号室)
キャンパス内の地図はこちらからどうぞ
交 通 東急目黒線・大井町線 大岡山駅下車徒歩5分
講 演 <13:00~17:00>
  1. バイオベース新産業と生分解性高分子
    (東工大)土肥義治
  2. 未利用天然資源組込型生分解性ポリウレタン
    (大妻女大)中村邦雄
  3. 一般系廃プラスチックの油化システム事例報告
    (東芝)伊部英紀
  4. 懇親会
    講演終了後

参加要領
1. 参加費 ①企業・大学1000円 ②学生無料(当日受付)
2. 懇親会費 別途(当日受付)
申込先 〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1
東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻
 打田 聖
電話03-5734-3550 FAX:03-5734-2888
E-mail: suchida@polymer.titech.ac.jp