私たちの住む家には、さまざまな場所に高分子が使われ、快適なくらしのために役立っています。
室内を暖房や冷房で快適な温度に設定し、その温度が外に逃げないために壁の中には断熱材が使われています。
断熱は、小さな穴に空気を閉じ込め、空気の熱が伝わりにくい性質を利用しています(図1)。

図1断熱
図1 発泡断プラスチックの断熱のしくみ
断熱材には、繊維系と発泡プラスチック系があります。身近な発砲スチロールも、断熱材として利用されています。
畳の芯であるワラを、発砲プラスチックにすることにより、断熱だけでなく、湿度に強いことから害虫も発生しにくくなる効果もあります。
また、窓ガラスに貼る熱線反射フィルムは、夏は外からの太陽光の熱をカットし、冬は室内の温度を逃がさないという優れたフィルムもあります(図2:クリックするとモーションが動きます)。

図2
図2 熱線反射フィルム
さらには、高い吸湿性能を持ち、環境条件に応じて吸湿と放湿を繰り返す、特殊なアクリレート系繊維は建材を中心に利用されています。

調湿マット(東洋紡)
写真 調湿マット(東邦紡(株)提供)
写真は、この湿度調節性能できる素材を床下マットに利用した例です。
映画館や病院など人が多い場所では、燃えにくい防炎カーテンが使用されていますが、最近では、家庭での利用も増えています。
ポリエステルでは、難燃剤(なんねんざい)とよばれる化合物を使用して燃えにくくしています。
このように繊維を加工することに新たな機能をつけることが可能になります。
ダニがつきにくい(防ダニ)、汚れにくい(防汚)、水をはじく(はっ水)など、用途に応じたカーテンやカーペットが販売されています。
防犯では、ガラス窓からの侵入を防ぐための防犯フィルムに高分子が利用されています。
このような防犯フィルムは、ガラスを割ってもフィルムを破くことができないので侵入を防ぐことができます。
また、物がぶつかりガラスが割れたときに、ガラスの破片が飛び散らないようにする効果もあります。
このように、高分子は住まいの中でも、安全・安心で快適なくらしに役立っています。

ひらさか まさお

☆ご参考☆
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