化学物質による環境汚染を防ぐために「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)が定められています。
新しい高分子を製造・販売するためには、この法律に従った安全性の試験を行う必要があります。
例えば、高分子の分解性、人や動物への毒性、自然環境への影響などの試験を行います。
そして、この法律によって認められた高分子だけが、製造・販売することができます。
高分子は医療用にも使われています。
昔、病院では1本の注射器で何人もの子供にワクチンを打つなど、連続して注射器が使われていました。
このため、集団予防接種で多くの人が肝炎ウィルスに感染したといわれています。
今は、感染を防止するために、使い捨てのプラスチック製の注射器が使われています。
注射に用いられている代表的な材料はポリプロピレンです。
このような医療用の高分子には、プラスチック製医薬品容器試験法が定められています。
これからは、身近な安全・安心を支える高分子の製品についてお話ししましょう。
防災用品として、ヘルメットがありますが、この素材は高分子です。
一般に、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂、ポリエチレン(PE)、繊維強化プラスチックなどが用いられています。
これらのプラスチック製ヘルメットも、安全のために耐用年数が定められています。
例えば、産業用のPC、ABS、PE等のヘルメットの耐用年数は、外観に異常が認められなくても使用開始より3年です。
自転車用のヘルメットも3年で買い替えが必要ですね。
自動車では、シートベルトやエアバックにポリエステル繊維が使われています。
シートベルトには規格があり、シートベルトの幅は46mm以上と定められており、また、3トン近い強度が必要です。
さらに、耐久性も試験が行われ、製品の安全性を評価しています。
エアバックにも規格があり、また、チャイルドシートにも規格があります。
最近、強化プラスチックを内蔵しているシートの大部分を布製にしたチャイルドシートがインターネットで販売されていることがニュースとなり、安全基準を満たしていないことが話題となりました。
製品に対する規格は重要で、わたしたちの安全・安心が守られています。
このような規格は、国際的にも同じであることが必要です。そのために、スイスのジュネーヴに本部がある国際標準化機構(ISO アイ・エス・オーとよばれています)が、国際規格を発行しています。
わたしたちの実の身の回りの高分子の製品は、多くの安全性試験をパスして、販売されています。
家の中にあるバス用品にも、図に示すような表示があり、取扱い上の注意も書かれていますので、家の中の家庭用品の表示を探してみてください。

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ひらさか まさお