今年は寒い冬になりそうだとニュースでよく伝えられていますが、そうなればたくさん雪も降るでしょう。
私はスノーボードが趣味なので、たくさん雪が降る冬の北海道も大好きです!
今回は、私の趣味でもあるスノーボード(スキー)の板と高分子材料のお話をしようと思います。%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%89
スキーやスノーボードを好きな方々が板を購入する際、何に注目しているでしょうか?
色々あるかと思いますが、形状や硬さ、ねじりやすさ、軽さなどを吟味している人が多いと思います。
見た目は同じような板でも、その人の体格や滑り方、種目、雪面のコンディションなど、用途・目的によって板の性質は細かくチューニングされています。
板のそのような性質の違いはどのように出しているでしょうか。
今回は板に使われている材料の観点から見てみましょう。
左の図は板の断面図です。

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このうち、中心にある部分は「コア」と呼ばれ、板の基本的な性質はこのコア部分で決まります。
この部分の材料は大きく分けて合成高分子材料と天然高分子材料の2つが使われています。
それぞれの役割を「弾性」と「粘性」というキーワードと共に見ていきましょう。
合成高分子材料としては、カーボンファイバーやケブラーという素材が用いられています。
これらの材料の特徴は「軽量」、「高強度」であり、テニスラケットやゴルフクラブ、防弾チョッキやスーパーカーのボディなど、軽さと強度が求められる用途に使われています。
このような高強度合成高分子材料のコアからなる板は、変形に大きな力が必要で、変形させても元の形に戻ろうとします。
これは「弾性的」と言われます。
使用者のフィーリングとしては「反発が大きい」とか「レスポンスが速い」と言われ、強い力のかかる高速滑走や高いジャンプなど上級者向けの板に使用されることが多いです。
一方、天然高分子材料には木材が使われています。
木材は多糖高分子であるセルロースなどからなり、水を吸い上げる小さな管に水分を含んでいます。
高強度合成高分子材料と比較して、木材の特徴は「高い振動吸収能」や「変形からの応答が遅い」ことが挙げられます。
これは木材に含まれた水分が変形の際にわずかに流れているからだと考えられ、「粘性的」と言われます。
使用者のフィーリングとしては「粘りがある」、「溜めがある」、「着地が安定する」などと言われます。
もちろん木材には色んな種類があり、それによってこれらの性質は微妙に異なっています。
また同じ木材であっても、樹木のどの部分かによって性質は異なります。
そのため、実際の木材コアを作るときは、パズルのような小さい木材のピースを作り、様々な種類のピースを合わせて一枚の板に成形していて、板の品質のばらつきを抑えています。

以上のように合成高分子材料と天然高分子材料を紹介してきましたが、実際には合成高分子材料だけからなるコアはほとんどありません。
木材をベース材料として、そこへカーボンファイバー、ケブラー、ガラスファイバーなどを重ね合わせてコアを作成しています。
科学技術の進歩によって、たくさんの高機能高分子材料が開発されていますが、板のメインの材料はいまだ天然高分子材料である木材なんですね!
雪上用の板が発明されてから200年ほど経った現在でも木材は優秀な材料として使われ続けています。
その理由の一つとして、「粘性」と「人のフィーリング」に関係していると思います。
スノーボードでジャンプする前にタイミングを合わせるための溜めの動作があるように、多くの運動にはその前に前動作があることは、人の感覚からも想像できますよね。
粘性は、本動作のための前動作においてタイミングを合わせるために程度必要な成分であり、そこへ高い弾性を示す様々な高強度合成高分子材料などを足し算して、目的の性能を持つ板を作製しています。
今回は、コアについてだけお話しましたが、板のエッジ部分を除いてその他のパーツもほぼ高分子材料でできています。
高分子材料はウィンタースポーツととても密接に関わっていますね!
最後に、スノーボードの板の設計者となって、2人のスノーボーダーのニーズに合わせた板を作製してみましょう。
2つの合成高分子材料と3つの天然高分子材料の計5つを用意しました。
それぞれ弾性成分の反発、粘性成分の粘り、そして重さの3つのパラメーターを持っています。
材料を足し算して目的の性能を持つ板を作製しましょう。

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板の厚さの制限のため、必ず3つの材料を選びましょう。スノーボード作りにレッツチャレンジ!

ののやまレンジャー