こんにちは、レンジャーの藤ヶ谷です。
今日は、人気コラム「歯医者さんの詰め物で使うコンポジットレジンとは?」の続編を書いてみました。
コンポジットレジン(CR)とは、プラスチックに細かいセラミックスを混ぜた虫歯治療用の高分子材料のことです。

そもそも「虫歯」って何でしょう??
「虫歯」とは、歯に住み着いた細菌が出す「酸」によって歯の成分(リンやカルシウム)が溶けだしてしまう病気です。
溶けだした部分(穴)は再生しないので、溶けた部分には人工的に詰め物をして修理する必要があります。

昔はプラスチックでは硬さが足りない(おせんべいが食べられない!)ので、詰め物としては、金属が使われていました。
でもプラスチックにセラミックスの粒を混ぜるCRの発明で硬さがアップしたため、今では金属より多く使われるようになりました。
CRは固める(重合する)前ではクリームのような状態なので、色々な虫歯の形に合わせて修理しやすく金属よりも便利なのです。

プラスチック材料は、このような加工のしやすさに加えて、色々な機能を追加したり調整したりできることが魅力です。
例えば、金属イオンを混ぜ込むことでレントゲンに写りやすくしたタイプ、これまで使っていた有害な紫外光ではなく、可視光(青色)で固められるタイプのCRが開発され、みなさんの虫歯治療にも使われています。
ちなみに可視光で固められるプラスチックは、今では「ジェルネイル」として女性の爪のオシャレにも使われているそうですよ。

ジェルネイル中の写真(手は筆者)

ところで、CRのプラスチックには家庭用接着剤にも用いられている「アクリル樹脂」が使われていますが、このアクリル樹脂、固める(重合する)と縮む性質があります。
そのため、そのまま穴に詰めて固めると「すき間」ができて、虫歯が上手くふさがりません。
実は、セラミックスの粒と混ぜることで、この縮みを無くす効果もあるのです。
CRはプラスチック材料とセラミックス材料の共同作業なのですね!
最近では、このセラミックスの粒の大きさを揃え、粒とプラスチックの屈折率を調整することで、「構造色」の効果が現れ、虫歯に詰めたCRの部分が自分の歯の色に見える「カメレオン」のようなCRも開発されています。
CRには色素で着色した様々なカラーバリエーションがあり、自分の歯と似た色を選んで詰めます。
でもこのカメレオン効果のあるCRを使えば、色を選ぶ面倒が無くなり、色素を使わずに済むので、とても画期的です!

カメレオン効果により歯の色と同化できるCR
(写真提供:トクヤマデンタル様のご厚意による)

CRは私たちの体の一部として最も活躍する高分子材料であり、研究者としては、これからの発展に興味がありますが、みなさんは正しい歯磨きと定期検査でこの材料のお世話にならないようにしましょうね!

藤ヶ谷レンジャー