あなたの常識をくつがえすびっくり仰天なゲルの世界
皆さんこんにちは、レンジャーの「ののやま」です。
今日は、私が所属している北海道大学大学院先端生命科学研究院のソフト&ウェットマタ―研究室について紹介したいと思います!
皆さんは、ソフト&ウェット(柔らかくて濡れている)なモノというと何を想像しますか?
あなたの身の回りにたくさんあります!いくつか挙げてみましょう!
食べ物の多くはソフト&ウェットなものですね!
ゼリー、プリン、こんにゃく、お米、スパゲッティ・・・
このようなものは、水を含んでいてとても柔らかいという特徴を持っています。
研究者はこのような物質のことを「ゲル」もしくは「ハイドロゲル」と呼んでいます。
ゲルは、小さな網目構造を持っていて、その網目のなかに水を保持することができます。
実は他にもあなたのすぐ近くにゲルがあります!
そう!
実はあなたの身体、皮膚や筋肉、臓器もゲルなんです!
私たちは、生き物がつくりだす素晴らしい機能をもった物質を学び・理解し、社会に役立つゲルを生み出す研究をしています。
いくつか代表的な研究を紹介します。
きっとあなたの知っているゲルとは全く異なるびっくり仰天なゲルを知ることができますよ!
①かみ切れないゲル
最も身近なゲルは食べ物のゼリーだと思いますが、とても柔らかいですよね。
私たちの作っているゲルは違います。
90%以上が水なのにナイフを入れても切れない、トラックが踏んでも壊れないという、とてつもなく強いゲルなんです!
今までのゲルは、とても弱くて材料として使えなかったですが、この強いゲルは、人工軟骨などの身体を支える医療材料としての実用化を目指しています。
②キズが回復するゲル
普通のゲルは一度切ったり、壊れたりすると元に戻りませんよね?
私たちは切っても穴を開けても元に戻る回復するゲルを作りました!
ゲルは網目構造でできていると話しましたね?普通のゲルの網目はとても強いけど一度切れたら元に戻りません。
回復するゲルの網目は、ちょっと弱くていつも切れたり直ったりを高速で繰り返しています。
だからナイフを入れても切れた網目はまたすぐにくっついて元の状態に戻ります。
このゲルは、怪我や手術の際の傷口をふさぐ材料としての応用を目指しています。
③色が変わるカメレオンゲル
私たちのゲルは引っ張ったり押したりされて変形すると無色透明のゲルが七色に変化します!
変形を解くとまた無色透明に戻ります。
この色は、ゼリーのように着色したものではありません、とても不思議でしょ?
そのひみつは目には見えないとっても小さいバームクーヘンのような層状構造にあります。
このような構造は美しいチョウの羽や真珠などの自然界にも見られます。
このカメレオンゲルは、目には見えない力や温度等色々なものを見えるようにする新しいセンサーや、ディスプレイへの応用を目指しています。
他にも色々な面白いゲルを作っています。もっと詳しい内容は私たちのホームページを見てくださいね!
私たちのホームページ:http://altair.sci.hokudai.ac.jp/g2/(外部ページに飛びます)
北海道大学 龔(ぐん)研究室