夕食もほぼ終わりかけ。
有紗が「今日はお兄ちゃん学校で何かいいことあったみたい。いつもとちがう」
「うん、5時間目と6時間目に環境ワークショップがあり、プラスチック関係の会社の人が来てプラスチックについて教えてくれ実験もしたんだ。
プラスチックにはいろいろな種類があることを教わったよ。
驚いたのは、水族館の水槽ってガラスだと思っていたが、メタクリル樹脂でできているんだって。
厚さ60cmもあるのもあるんだって。
それでいてきれいに見えるんだよ。
自動車の燃費をよくするためポリプロピレンという樹脂が使われているんだ。
自動車のバンパーとドアーを指でたたくと音が違うと言ってたので、学校から帰って家の車をたたいてみたら確かに音が違った。
バンパーは金属音でなく鈍い音だった。
見た感じではわからないんだけど」
慎太郎はビールを飲みながら「おいおい、車を壊さないでくれよ」と笑いながら、「鉄の比重は7.9だけどポリプロピレンの比重は0.9だから90%も軽量化が図れるので燃費が良くなるんだよ」
隼人は驚いたように「さすが、お父さんよく知っているね。
講師の方も同じことを言ってたよ。
そうそう、実験では、水に浮くものと沈むものを調べたんだ。
ポリエチレン、ポリプロピレンは水に浮き、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートは水に沈んだ。
この比重の違いを利用してマテリアルリサイクルもされているんだ」
ここまで言うと隼人は、急いで部屋に戻りノートをとってくる。
それを見ながら「日本のPETボトルはなぜ透明なのか、有紗わかるか?」
「えーとね、中身が見えるから」と有紗。
「色がついていたら、リサイクルするときに品質が落ちるから透明にしている。
つまり後のリサイクルのことまで考えてもの造りがされているんだよ。
プラスチックって都市ガス並みのエネルギーを持っているので、もったいないからと言って、お金がかかるマテリアルリサイクルをすることが良いことなのか考えてみてほしいと講師の方は言ってたよ」
美也子は食器をかたずけながら、「はやちゃんはプラスチックの先生みたい」
「3Rって、リデュース、リユース、リサイクル。
教科書にはリフューズ、リペアの2つのRを加えた5つのRも提唱されていると書いてあったな。
リサイクルにもいろいろな方法があると講師の方が言ってたけどもう少し詳しく勉強したいな。」

とがみ むねひさ