レンジャーの野々山です。今回から新しい企画「高分子関係の企業取材」が始まります!
私たち高分子未来塾の仲間たちが高分子関連の企業さんを訪問・見学して、会社や製品の紹介記事などを掲載していきます。
少しでも皆さんの興味や将来の夢繋がれば良いな、と思います。

記念すべき第1回は神戸市のイーメックス株式会社さんです。
ののやまレンジャー、まつもとレンジャー、みちたかレンジャーの3名による連続掲載の大特集です!

イーメックスさんは高分子アクチュエータや次世代電池を開発・製造している会社です。
今回は瀬和信吾さま・大西和夫さまにお話を伺い、第1回に相応しい素晴らしい企画となりました!
アクチュエータというのはエネルギーを使って運動をする装置のことです。
身近なところでは私たちも「筋肉」という天然のアクチュエータを持っていて運動することができますね。
イーメックスさんのものをはじめ、多くのアクチュエータは電気エネルギーで駆動します。
簡単な原理を説明しましょう(図1)。

図1

図1:高分子アクチュエータの駆動原理

柔らかい高分子シートの中に電気を流すと移動するイオンがたくさん均一に入っています。
この高分子シートを金属電極でサンドイッチして、電極に電圧をかけると、高分子シートの中のイオンが移動して偏りが生じます。これによりイオンの多い側が少ない側より膨らむことでシートが曲がる(動く)というわけです。

動画1:高分子アクチュエータの基本動作

まるで本物の生き物のような動きですよね!

この高分子アクチュエータはたくさんの長所を持っています。
最大の特徴は、速い動作速度です!
これまでに多くのアクチュエータが開発されていますが、動作が遅いことが最大の欠点でした。
このアクチュエータは最大で1000ヘルツ(1秒間に1000回の往復運動!)の高速応答を可能にします!
さらにシートの厚みによってより大きな力を発生することもできるんです。
また高分子アクチュエータはモーターやエンジンなどと違い、動作中に機械音を発しません。
子供向けのおもちゃやお年寄りを介護・補助するロボットなどでは、機械音は相手に恐怖を感じさせ嫌がられるため、静かな動作も大きなメリットだと大西さんは言います。

この生き物の動きのようなアクチュエータを使って、イーメックスさんではたくさんの面白いデモンストレーション動画を作成しています。
動画2では、女の子向けの人形の瞬きをアクチュエータで制御しています、複雑で速い動作は自然な瞬きのようですね!

動画2:人形の瞬き

動画3では模型飛行機の方向を変えるラダーの動作に使っていて、スムーズで自由自在な飛行機の操作を可能にしています。

動画3:飛行機の操舵

他にも水槽の中の魚の泳ぎや、恐竜の模型の首振り動作などたくさんの面白い動画を紹介して頂きました!

動画4:Fish and Dinosaur!

もちろんおもちゃだけではありません。
医療で使用する能動カテーテルも開発されています。
能動カテーテルとは、複雑に分岐した血管の中を通して目的の場所まで導いていく細い管のことで、身体の目的の場所に薬などを届ける医療器具です。
現在使われているものは、予め先端が曲がったガイドワイヤーという金属製の硬い材料を用いて、手元操作で回しながら先端の方向を操作するものであり、操作に極めて高い技術が必要です。
高分子アクチュエータで作られた能動カテーテルは非常に柔らかく血管を傷つけることはありませんし、ゲームのようにジョイスティックを用いて先端を自由に曲げることができ直感的な操作が可能です。

動画5:直感的に操作できる能動カテーテル

このようにおもちゃや医療器具など幅広い分野で応用が期待されている高分子アクチュエータ、次回は学生レンジャーの松本さんに高分子アクチュエータのモバイルカメラへの応用を特集してもらいます。
お楽しみに!

ののやまレンジャー