秋が深まりゆく季節、朝晩日ごとに冷え込んできました。
今年も、もうすぐカニの季節がやってきますね!

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写真1 鳥取県で食べられるカニ料理

冬の味覚の王様『カニ』ですが、美味しいカニ肉やカニミソは、丈夫な殻で守られています。なので、カニを食べる時は面倒な殻むきを避けて通ることはできません。
食べられない殻は捨てられてしまう悲しい運命にありますが、カニ殻には、すごい高分子が含まれていることをご存知でしょうか。

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写真2 廃棄されるカニ殻

カニ殻には、『キチン』と呼ばれる生体高分子が含まれています。
(知らない人には、よく『チキン』と間違えられてしまいます。)
キチンは、N-アセチルグルコサミンという糖が真っ直ぐにつながった高分子です。

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図1 キチンの化学構造式

このキチンは、カニ殻の中には超極細繊維として存在しています。
その繊維の幅は、約10ナノメートル!!
ナノは10億分の1を意味しており、10メートルの10億分の1・・・と考えると、とてつもない細さですよね。
近年、このキチンナノファイバーをカニ殻から取り出して利用しようとする研究が行われています。

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写真3 キチンナノファイバー(鳥取大学 伊福准教授に提供して頂きました。)

例えば、キチンナノファイバーを混ぜるとプラスチックが強くなったり、傷口につけると治りやすくなったり、飲むとおなかの調子がよくなったり、肌にぬると皮膚を元気にしたりと、色々なスゴイ能力を持つことが分かってきました。
捨てられるものに、こんなにスゴイものが含まれているなんて驚きですね。

カニ殻からキチンナノファイバーを取り出して、私たちの暮らしを豊かにしようとする試みが始まっているのをご存知でしょうか。
たとえば、キチンナノファイバーが含まれる化粧水が、すでに薬局で売られています。
今後も、ぞくぞくとキチンナノファイバーを含む商品が開発されていくことが期待されています。

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写真4 キチンナノファイバーを配合した化粧水

私たちの身の回りのゴミには、まだまだ、すごいお宝が隠れているかもしれませんね。
みなさんも研究者になってお宝探しをしてみませんか?

いざわレンジャー