大きなホームセンターに行くとたくさんの種類の接着剤が売っています。
どれを選べばよいか迷ってしまうくらいです。
しかし、モノとモノを上手くくっつけるためには接着剤選びも重要ですが、くっつけるもの(被着体と言います)の表面にも気を付ける必要があります。

接着というのは、面同士を液体(接着剤)でよく濡らして貼りあわせ、その状態で液体を固体に変える(接着剤を固める)ことによって、くっついた状態が維持することです。
ここで大切なのが、「液体(接着剤)でよく濡らす」というところです。
「濡らすとくっつく」というのは皆さんも日常で経験があると思います。
例えば、乾いた紙をガラス窓に押し付けてもくっつきませんが、水に浸した紙ならくっつきます。
ところが、液体をはじく材料同士では、同じことをしてもほとんどくっつきません。
この状態で無理に貼り合わせて液体(接着剤)を固めても、すぐに剥がれてしまいます。

濡らさないと上手く接着できない。
だから、接着する前に被着体の油汚れをきれいに拭いて、しっかり濡れるようにするのが、接着のコツの一つです。
工業製品では、接着の前に、被着体をアルコールで洗浄したり、特殊なガスや紫外線を当てて洗浄したりします。
接着がうまくいくかどうかは、接着剤の性能だけで決まるのではなく、被着体をどう扱うかも大きく影響します。
工業製品を作るエンジニアにとって、接着する前後のプロセスを考えることも大事な仕事です。

高橋明理(株式会社フジクラ)企業レンジャー