こんにちは!学生レンジャーの三浦です。
私が所属する研究室では、薬を運ぶ高分子について研究を行っています。
そこで、これから複数回に分けて、薬に関係する高分子についてお話したいと思います。
今回はその序章として、「薬が効くってどういうこと?」についてご説明します。

まず、薬はどのような姿をしているのでしょうか?
薬のほとんどは低分子ですが、近年はタンパク質DNA・RNAから成る薬も多く開発されています。
低分子医薬品は、高校生のみなさんは有機化学で聞いたことがあるのではないでしょうか。
例えば、アセチルサリチル酸は解熱鎮痛剤として効くことが知られており、アスピリンという名前で使用されています。

有名な低分子医薬品・アセチルサリチル酸

タンパク質やDNA・RNAは皆さんの体の中にたくさん存在し、生きるために必要な多くの機能を示してくれます。
つまり、もともとタンパク質やDNA・RNAは生体の反応を操ることが非常に上手なのです。
それをうまく利用して、近年は多くの薬が開発されています。

このように様々な薬がありますが、効くまでの過程は同じです。
まずはみなさんの体の中を詳しく見てみると、胃や肝臓など、生きる為に必要な機能を行う場所である組織、組織から構成されています。
組織を拡大してみると、様々な細胞から構成されており、その中身はDNAやタンパク質となっています。
さらに拡大すると、全て化学構造式で現すことができる、分子の集合体であることが分かります。
ちなみにですが、タンパク質もDNAも高分子の一種です。皆さんの体は高分子だらけなのですね。


体の中身を拡大してみよう

病気とは、正しい働きをしない細胞やタンパク質、DNAがたくさん存在することで、それが関わっている組織の、そして生き物の元気が無くなっている状態です。
そこで体の中に入った薬はまず、体中をめぐりめぐって病気の原因となっている細胞へたどり着きます。
そして、薬が作用してその細胞を殺したり、タンパク質の働きを止めたりすることで、病気を治すことができます。

薬を開発する中で、よく効く薬を開発することはもちろん大切です。
しかし、その効果が元気な細胞にまで作用してしまうと、副作用として体に悪影響を及ぼす可能性があります。

副作用を避けるために、薬を効くべき場所まで安全に運ぶ技術、ドラッグデリバリーシステム (Drug Delivery System: DDS) が開発されています。
具体的には、高分子からできているミセルやベシクル、ゲルなど薬を包み、
体の中に長く留まるような工夫をしたり、病気の原因となる細胞を狙い澄まして薬を運搬したりします。

やっと高分子が現れたところですが、もっと詳しく、どのように高分子が薬のために働くのかは次回お話したいと思います。
お楽しみに!

みうらレンジャー
京都大学 秋吉一成研究室 D1 : http://www.akiyoshi-lab.jp/