メタロセンって何?
みなさん、こんにちは。
中国四国支部レンジャーの田中 亮です。
早いもので2018年ももう終わりですね。
年末といえば、大掃除。
ということで、我が家もきれいにすることになりました。
まずはゴミ袋を用意して・・・と。
ん?
このゴミ袋、「メタロセン配合」って書いてますね。
成分表示にもポリエチレンの他に「メタロセン」と書いてあります。
このメタロセン、ポリエチレンを作る上でとても重要なものなんです。
ポリエチレンは、石油からつくられるエチレンという物質をたくさんくっつけるとできるポリマーです(石油は液体ですが、どうしてプラスチックのような固体になるのですか?)。ポリマー博士の解説もみてください。
この「くっつける」反応を手助けしているのが、「触媒(しょくばい)」という物質です。触媒それ自身は変化せずに、エチレンからポリエチレンを作る反応を繰り返します。
メタロセンは、40年ほど前に発見されたとても性能が良い触媒で、自分の何万倍もの重さのポリエチレンを作ることができます。昔、触媒の性能が低かった時代には、できあがったポリエチレンから触媒を取り除く作業をしていたそうですが、今はポリエチレンに対する触媒の量がとても少ないので、触媒が残ったまま製品として加工しているというわけです。
また、メタロセン触媒は他の触媒と違って、1本1本の長さがある程度揃ったポリエチレンを作ることができます。極端に短いポリエチレンが混ざっていると、できあがった製品がベタついたり、簡単に破れてしまったりするのですが、メタロセンで作ったポリエチレンには短い成分がありませんので、強い材料ができます。
高分子を作る触媒はどんどん進化しており、今も世界中でより良い触媒を作る研究がされています。直接見ることは少ないかもしれませんが、この記事を読んで触媒について興味を持ってくれる人が増えればいいなと思っています。
さて、あんまり掃除をサボっていると怒られるのでこのへんで・・・
みなさん、良いお年を。
たなかレンジャー