みなさん、こんにちは。学生レンジャーのすずきです。
今回は前回よりずいぶん時間がたってしましましたが、「高分子の特徴って? ~金属・セラミックスとのちがい①~」の続きについて書きたいと思います。
①編では、高分子が金属やセラミックスと違う性質をもつことをお話しましたね。
今回は、これらの性質の違いがなぜ生まれるのかについて、中でも高分子は金属よりなぜあんなにも軽いのかについてお話しようと思います。

高分子ってなんだろう② でもあったように、すべての物質は原子の集まりでできています。
みなさんは周期表を知っていますか?そうです。水兵リーベ…と覚えたやつですね。
実は周期表の順番はとても大事で、この順は原子の重さの順 (軽い順) に並んでいるんです。
つまり、すべての原子の中で水素 (H) 原子が一番軽く、次にヘリウム (He) 原子 、リチウム (Li) 原子の順に続きます。
例えば、風船によく使われるヘリウムガスの成分のヘリウム (He) 原子は2番目に軽い原子なので、空気の成分の原子 (主に窒素 (N) や酸素 (O) ) よりも軽く、浮くのです。
(水素 (H) 原子は一番軽いですが、水素分子 (H2) は火がつくと爆発する性質があるため、風船には使えません)

では、高分子はどの原子からできているかというと、みなさんが主に使っているプラスチックのほとんどは炭素 (C) と水素 (H) 、あとは酸素 (O) や窒素 (N) の原子からできています。
これらが周期表の何番目かを調べてみると、なんと、どの元素もかなり最初のほうにあります。
つまり高分子は、周期表の中の金属たち、特にわたしたちの日常生活に馴染みのある鉄 (Fe) や、1円玉に使われていて金属の中でも軽いアルミニウム (Al) の原子から見るとかなり軽い原子からできていることがわかりますね。
この高分子をつくる原子の重さ (正確には原子量と言います) が小さいことこそが、高分子が金属よりも軽い理由なのです。
ただ、物質の重さ (密度) は、必ずしも原子量の順番とは一致しないので注意してください。

では、高分子の密度はどのくらいかというと、実はほぼ水と同じくらい (1 g/mL程度) なのです。
これは、水分子は水素 (H) 原子と酸素 (O) 原子からできていて、ちょうど高分子と同じような重さのバランス、つまり密度になっているからです。
この高分子と水の密度が同じくらいという性質をうまく使い分けることで、
例えば、
水よりも密度が小さい (=軽い) ポリスチレンという高分子に空気を含ませて、さらに軽くする (発泡スチロールのようにする) ことで、釣りに使う浮きになったり、
反対に水よりも密度が大きく (=重く) 、透明で強度が強いナイロンという高分子を糸にすることで、水に沈む釣り糸になるなど、
皆さんの身近なところでも高分子の重さを使い分けていることもあります。
実際に皆さんの身の回りのプラスチックもお風呂に沈めてみると、野菜のように浮くものと沈むものに分かれると思います。
調べてみるのも楽しいかもしれませんね。

さて、今回で学生レンジャーとしての記事はひとまず終わりになってしまいますが、次回からは研究者レンジャーとして、また皆さんの勉強や興味に役に立つ記事を書ければと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました。

すずきレンジャー