2017年北陸支部・福井地区講演会・会告

北陸支部福井地区では年1回の講演会を開催し、高分子の各分野を中心に御活躍されている先生をお招きして福井地区の学生をはじめ、広く高分子に携わる研究者を対象に講演していただいています。若手研究者が最先端の研究に触れて討論し、講師の先生や参加者同志の交流を図るよい機会です。今年の講演会では、結晶性高分子のゲルについて、そして、高次構造の制御について研究を先導されている二人の先生をお招きします。多くの方のご参加を歓迎します。

主催
高分子学会北陸支部

日時
12月1日(金曜日)13:30 – 16:30.
会場
福井大学(文京キャンパス)工学部1号館131L教室(福井市文京3-9-1)
交通 JR福井駅からえちぜん鉄道「福大前西福井」下車 徒歩3分

講演会

高分子ゲル中の束縛溶媒はどこにある?~溶媒の凝集サイズとモルフォロジー~
中沖隆彦先生 龍谷大学理工学物質化学科
(講演概要)一般に結晶性高分子のゲルでは架橋点では結晶が形成し、非晶鎖の中に溶媒が取り込まれている。架橋点の分子構造については比較的多くの研究報告があるが、溶媒に関するものは極めて少ない。溶媒はゲル中では自由溶媒、束縛溶媒、不凍溶媒などに分類されることが多いが、その所在については明確でないことが多い。本報告では代表的なハイドロゲルであるポリビニルアルコールとオルガノゲルを形成する立体規則性ポリプロピレン中の溶媒について、凍結溶媒の凝集サイズの観点から解析を行いモルフォロジーとの関係を検討した結果を報告する。

白金含有共役高分子の合成と構造制御
三田文雄先生 関西大学化学生命工学部
(講演概要)フェロセンが世界初の合成遷移金属錯体として報告されて以来,遷移金属錯体の化学は目覚ましい進展を遂げてきた。遷移金属錯体は,水素化反応やカップリング反応などの触媒として,学術的のみならず工業的にも広く活用されているほか,合成高分子の構成成分としても研究されている。本講演では,遷移金属を構成成分にもつ代表的な高分子を紹介し,筆者らが展開している,主鎖に白金を有するポリフェニレンエチニレンの合成と,主鎖芳香族基および配位子が折り畳みらせん構造や会合構造の形成,物性に及ぼす影響ならびに配位子交換による高次構造制御について述べる。

交流会
講師の先生へ自由に質問する時間です。

参加要領 1) 参加費 無料 2) 申込方法 当日会場にて受け付けます。
連絡先 福井大学大学院工学研究科 材料開発工学専攻 田中穣